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エンジニアが知っておくべき著作権

エンジニアが知っておくべき著作権

エンジニアとして働く人にとって、意外と盲点になりがちなのが著作権の問題。音楽や画像の取り扱いに関しては、著作権に対する意識を高く持っている人は少なくありませんが、エンジニアの世界にも著作権を考慮しなければならない場合があるのを知らない人も多いのではないでしょうか。今回は、エンジニアが知っておくべき著作権について、詳しく解説します。

著作権とは(差止請求権)

著作権とは、音楽や美術などの作品を創作した人が持つ権利で、その作品がどう使われるかを決めることができる権利のことです。もしも自分が心血を注いで創った作品を、知らない人が「私が作りました」と言って販売していたら、許せませんよね。著作権は、そうした事態を回避して、著作者の権利を守ってくれる大切な存在なのです。

もし、自身の著作物を違法に使われたり、使われそうになったりした場合、著作者は差止請求権を行使して、それらの行為を辞めさせることができます。

エンジニアが著作権を抑えておくべき理由

エンジニアと著作権が深く関係する要素として、プログラムのソースコードがあります。さまざまなシステムを構築し、機能させていくためのソースコードは、エンジニアにとって最も重要な知識の一つ。実はこのソースコードも、著作物の一つとして扱われるのです。

そのため、例えば他のサイトやシステムを見て、そこで使われているソースコードを無断で使用することはできません。悪意の有無に関わらず、最悪の場合には罰せられ、賠償などを支払わなければならない事態にもなってしまうものなのです。

著作権と特許権の違い

著作権と似た性質を持ったものに、特許権というものがあります。これも、言うなれば創作者の権利を守るためのものなのですが、対象となるものが微妙に異なるため、しっかり押さえておきましょう。

先ほどのソースコードを例に挙げると、著作権によって守られるのがソースコード、特許権によって守られるのが、ソースコードによって実現された機能やアイデア、またソースコードを書く上で使われた機能やアイデアということになります。

ただし、特許というのはどちらかというとLEDのような発明に対して用いられるケースがほとんどで、ITの分野ではあまり一般的ではありません。実際、サーバーの構成を少し変えただけで、特許権が認められなくなってしまった実例もあるなど、過度な期待はできないものです。

著作権侵害の実際の例

ソースコードによる著作権侵害の実例として、元従業員が転職先で開発したソフトウェアに、転職前の会社で用いられていたソースコードが多用されており、著作権侵害が認められた事例があります。

そこでは、被告と原告のファイルを見比べた場合、ソースコード全体の90%以上が同じものであり、違うのは会社名の部分や変数名、フォーム名等、プログラムとして機能する上では名称の違いに意味がないものでした。

このように、ソースコードの著作権侵害というのは普通に起こり得るものであり、その結果によっては、損害額が数千万円に上ったり、フリーランスエンジニアの人が1,000万円の売り上げを回収できなくなったりした事例もあります。

目先のことに意識が向いてしまい、著作権を軽く考えてしまうと、結果として思わぬしっぺ返しを食らってしまうことも少なくありません。特にフリーランスエンジニアの場合、自身を守ってくれる存在がいないため、下手をすると再起不能のダメージを負ってしまうこともあるでしょう。

まとめ

エンジニアが忘れがちでありながら、実はとても大切な著作権について解説してきました。著作権は、しっかりと意識をしていなければ、悪意なく侵害してしまい、思わぬトラブルに発展してしまうケースもあるものです。特にフリーランスとして働いているエンジニアの場合、自分自身に返ってくるダメージが相当大きなものになってしまうこともありますので、今回の記事を参考に、改めて自身の仕事の進め方や著作権に対する理解について見なおしておきましょう。

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