エンジニアがやっているPCの雷対策

エンジニアの仕事道具であると同時に、生命線でもあるPC。非常にデリケートな機械であるため、思わぬタイミングで壊れてしまうこともあります。その例の一つとしてあげられるのが、落雷によるもの。例え屋内だったとしても、配線を経由してPCを故障させてしまう事例も多く、その被害者は後を絶ちません。そんな事態を起こさないためには、どういった手段や方法があるのでしょうか。雷に対するエンジニアの意識調査を実施しました。

近くに雷が落ちると、一時的に電力線に大きな電流が流れ、電話線や電気のコンセントを通って家の中に入ってきます。通常、家庭には過大電流を遮断するブレーカーが付いており、電流が流れすぎるのを防止してくれるのですが、落雷時のような瞬間的に発生する電流や電力に対応することはできません。その結果、精密機器であるPCに対しても大きな電流が入ってきてしまい、CPUやメモリといった内部の部品を破壊してしまうことがあるのです。途中まで進めていた作業データが消えてしまうだけならまだしも、ひどい場合にはPCそのものが壊れてしまうケースもあるため、特にエンジニアにとっては、落雷は死活問題と言っても過言ではないのです。

こうした雷の被害に対して、PCこそが最も重要な仕事道具であるエンジニアたちは、どのような意識を持ち、対策を行っているのでしょうか？300人にアンケートを実施しました。

・はい　81人
・いいえ　219人

意外にも、PCや周辺機器の雷対策を行っている人は全体の30％に満たないという結果が出ました。日本では、雷が発生するような天気になることはあまり多くはありませんので、その対策に関する意識も比較的低くなっていると言えるのかもしれません。

・停電によるPCの故障　213人
・PCの故障によるデータの消失　173人
・雷サージによって負荷がかかる　98人
・雷が落ちた場合感電する恐れがある　82人
・あてはまるものはない　52人
雷に対する対策は行っていないという人が多い一方で、雷の被害に関しての知識がある人はかなり多く、その危険性をしっかりと把握できていることが伺えます。とはいえ、20％弱の人は雷の被害を知らないという人もおり、必ずしも意識が高いとは言えません。

・PCをシャットダウンする　125人
・電源のコンセントを抜く　109人
・雷サージ対応の電源タップを活用する　98人
・無停電電源装置(UPS)を利用する 　33人
・データのバックアップをこまめにとる　72人
・あてはまるものはない　83人

雷対策についても、ほとんどのエンジニアが知識を持っているという結果がでました。しかし一方で、Q2で雷の被害を知らない人が52人だったのに対し、Q3の雷の対策を知らない人が83人となっており、被害があるのは知っているけど、対処法は知らない、という人が一定数いることも伺えます。

PCメーカーなどでは、雷が発生した際の対処法として、
・コンセントを抜く
・雷サージ対応の電源タップを利用する
・無停電電源装置(UPS)を利用する
が挙げられています。

エンジニアの回答ではPCの電源を落とす、という対策が多くありましたが、電源が入っていなくても電気が入ってきてしまう可能性はあるため、あまり得策とは言えません。またコンセントを抜いていたとしても、有線LANケーブルを指したままにしてしまっており、ここから雷の侵入を許してしまったという例もあります。基本的には、雷に対応できる機器を揃えるか、PCを電気と接点のない状態にしておくのが最も有効な対策と言えるでしょう。

そして何より、こまめにバックアップを取るようにしておきましょう。万が一の時の被害を最小限にとどめるのはもちろんですし、雷対策に意識が向くあまり、大切なデータを保存せずにPCをシャットアウトしてしまったら、精神的な負担は計り知れません。

雷によるPCへの影響と、エンジニアたちの雷対策に対する意識について見てきました。落雷は日常的に起こりえるものではないため、どうしても意識しにくい部分もあるかと思いますが、だからこそ万が一のことが起こった際の被害は大きくなりがちです。この記事を参考にしつつ、早めに雷対策をしておくようにしてください。

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