フリーランスエンジニアの理想と現実「あなたはフリーランスに向いている？」

近年プログラマーやエンジニア、デザイナーやライターなど様々な職種で、フリーランスとして活躍している人が増加しています。
会社員よりも自由に働くことができ、実力に応じてしっかり稼げるイメージのあるフリーランス。

自由度の高い生活を求めフリーランスを目指す方は多いですが、実際にフリーランスとして働く方々は、収入面も含め自身の生活に満足しているのでしょうか？

この記事では、日々『エンジニアの転職・企業・独立に関わるサービス』を総合的に行なっているmoveIT!が、様々なアンケートや統計を元にフリーランスエンジニアの現実を紐解いていきます。

そして、この記事を読んでいるあなたはフリーランスに向いているのか気になりませんか？
記事の後半では、フリーランスに向いている・向いていない人の特徴をご紹介します。

フリーランスとは、会社に所属せずに個人事業主として仕事を行う人のことを指します。
個人で仕事を獲得して報酬を得るというスタイルで働きます。

一般的に仕事の量や働き方は自由に設定できるため、週に3日だけ働くスタイルや旅をしながら働くスタイルといったことを実現できます。

フリーランスは会社に所属していないため、やった分だけ稼ぐことができますが、実力によっては仕事を得られず金銭的に苦労するリスクもあります。
また、確定申告や契約、請求などを全て自分自身の手で行わなければならず、仕事以外の事務作業に対応する力も求められます。

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そもそもフリーランスと普通の正社員との違いは何でしょうか？
まず正社員は企業と雇用契約を結ぶことで、不当な解雇がなかったり、給与が安定している特徴があります。
それに比べてフリーランスは、その人自身に需要がなければ仕事が振ってくることはありませんし、その分給与は不安定です。

続いてはエンジニアという括りで見ていきます。
正社員エンジニアは、安定性に加えて、同じシステムやフローの中で仕事ができるため慣れていくと仕事がしやすいメリットがあります。
フリーランスエンジニアの場合は、案件元となる企業のやり方によって仕事の仕方も変わりますが、その分順応性を身に着けることができます。
安定性のみで考えると現実的には正社員がいいように見えますが、スキルアップを考えている方にはフリーランスエンジニアとしてチャレンジするのもおすすめできます。

フリーランスに対する理想と、実際にフリーランスで働いている方の、年齢層や年収、満足度などのリアルな情報をご紹介します。

何を目的にして、フリーランスで働くかによって、働く時間や業務内容も異なるでしょう。

ここでは、フリーランスの方が今の働き方を選択した理由をご紹介します。

引用：フリーランス協会『フリーランス白書2020』

このアンケートで１番多い理由は、「自分の裁量で仕事をするため」でした。
会社員をしていると個人の裁量権がなく、ストレスを感じることも少なくありません。
そういったストレスから解放されたい、とフリーランスを目指す方が多いようですね。

その他にも「働く時間や場所を自由にしたい」「収入を増やしたい」などの理想を抱いてフリーランスを選択したことが伺えます。

【年齢層】

有名クラウドソーシングサイトランサーズの『フリーランス実態調査2021』を引用させていただきました。調査内容は以下の通り。

一般的なフリーランスエンジニアが属する、自由業系フリーワーカー（特定の勤務先はないが独立したプロフェッショナル）の年齢層を見てみるとこのような分布になっています。

この結果を見る限り、フリーランスエンジニアの年齢による壁はなく幅広い年齢層が活躍していることがわかります。

【業種別平均年収】

ITスキルを活かして働いているフリーエンジニアの年収相場は、700万円～800万円前後と言われています。

その中でも、2022年1月現在moveIT!に掲載されている求人・案件情報を元に業種ごとの平均年収を算出しました。

●システムエンジニア（SE）の平均年収
550万円〜850万円程度

●プログラマーの平均年収
500万円〜600万円程度

●ネットワークエンジニア
600万円〜800万円程度

自分のスキルで独立した場合「いくらくらい稼げるのかな？」と気になる方は一度、案件情報を見てみることで収入相場のイメージがつきやすいでしょう。
⇨案件一覧を見てみる

⇨関連記事：フリーランスの収入ってどれくらい？リアルな金額と労働時間を調査！

【満足度】

引用：フリーランス協会『フリーランス白書2020』

この調査によると、フリーランスの中でもITエンジニアで年収８００万円以上稼いでいる方の割合はダントツで多くなっています。

さらに、「満足度が高い」と回答した方で15%以上がエンジニア・技術開発系の方という結果に。

一方で「満足度が低い」と回答した方も14.3%という結果も見逃せません。

【トラブル経験】

独立すると、「トラブルが起きた時の対応が心配。」という方もいるのではないでしょうか？

フリーランスの方に向けたアンケートでトラブルを経験したことがあると答えた方の割合は約半数ほど。
内容としては以下のようなトラブルが実際にあったようです。

一番多く見られるトラブルは、支払いの遅延。次いで契約の一方的な変更を受けるでした。

トラブルの多くは、口頭での契約が多く、契約書を交わさないためにトラブルに繋がるケースが多く見られます。
事前に対策をすることで防げるトラブルも多くあるでしょう。

続いてはフリーランスエンジニアを現実的な面で見たときのメリットを4つご紹介します。

【仕事が選べる】

フリーランスエンジニアは、自分に合った案件を選べるのがメリットです。
自分で新しくチャレンジしたい案件も、しっかりスキルを身に着けていけばすぐに探せます。
ずっと同じような仕事で飽きてしまうというケースも少なくなります。

【スキルを付けながら収入アップできる】

フリーランスエンジニアは様々な会社の、様々な案件をこなします。
「仕事が選べる」メリットに付随して、毎度毎度スキルを付けながら、経験と知識を蓄えた上で収入アップも期待できます。

【人間関係が簡素になる】

特定の人とコミュニケーションをとったり、毎日同じ顔ぶれと会う必要がないのもフリーランスエンジニアのメリットです。
せっかくエンジニアの仕事が好きなのに、人間関係が上手くいかずに悩む方も多いのが現実です。
そんな渦中にいる方には大きなメリットになり得ます。

【働き方を柔軟にできる】

最近ではフリーランスエンジニアでのリモート、在宅ワークも多くなっています。
また出勤日数が少ない案件もあるので、副業であったり、家事育児との両立もしやすくなっています。
直接案件をもらう方は、働き方の交渉してみるのも1つの手ですよ。

続いてはフリーランスエンジニアを現実的な面で見たときのデメリットを4つご紹介します。

【仕事がない場合がある】

フリーランスエンジニアといえど、スキルがなければこなせる案件もないのが現実です。
経験さえあればすぐ仕事がもらえるわけではないので、安易に独立するのはおすすめできません。
自分の市場価値を理解しておくことが重要です。

【手当や福利厚生等がない】

エンジニアに限らず、フリーランスは手当であったり、福利厚生であったりがないのもデメリットです。
社会保険も自分で支払いますし、厚生年金に加入できず年金額も少なくなります。
もしその点が気になる場合は、外部の福利厚生サービスを探してみましょう。

【自分で営業活動をしなければならない】

またフリーランスエンジニアは自分で営業しなければなりません。
値段交渉、勤務形態交渉、または知り合い等から仕事をもらう場合も自分で働きかけます。
作業時間以外も削られるのでご注意を。

【取引先とのトラブルが起こりやすい】

フリーランスエンジニアは正社員ではない分、取引先との信頼関係や契約内容等が薄く、トラブルが起きやすいのもデメリットです。
報酬の未支払いがよくあるトラブルですが、コミュニケーション上のトラブルも起きやすくなっています。
仕事を受ける際は、案件元を調べたり、できれば顔を合わせて置いたりするのも大切です。

フリーランスに向いている人の特徴はどのようなものがあげられるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

フリーランスは自分自身の力で仕事を獲得し、実績を残すことで仕事の幅を広げていくことになります。会社員のように会社側がキャリアステップを用意してくれる環境ではないので、好奇心旺盛に様々なことにチャレンジし、スキルを伸ばしていく姿勢が必要になります。特にプログラマーやデザイナーの業界は技術の進歩が速いため、情報収集を怠らずスキルをアップデートしていく必要があります。

フリーランスは、スケジュール管理から体調管理まで全て自分自身で行わなければなりません。無理しすぎて体調を崩してしまうと働けなくなり、収入がゼロになってしまいますし、スケジュール管理ができていないとクライアントから信頼されず仕事が減ってしまう可能性があります。どの業界でも納期は設定されるものなので、納期に向けて仕事のスケジュールを立てて適切にこなしていき、日々の体調管理も怠らないようにしましょう。

フリーランスには明確な休日というものが存在しません。そのため、やろうと思えば365日ずっと仕事をすることもできてしまいます。しかし、それでは家庭や趣味などのプライベートにも悪い影響が出てしまいますし、最悪の場合体調を崩してしまうリスクもあります。また、フリーランスは自宅で仕事をするケースが多いため、オンとオフの切替が難しいと感じられる場合があります。長くフリーランスとして活躍するためには、自分で休みの日を設定したり、息抜きの時間を確保したりして、リフレッシュしながら仕事に挑む姿勢が大切になります。

フリーランスは報酬や経費など金銭に関わる計算・管理を全て自分で行うことになります。毎月の収支を考えた上で、どれだけ仕事をしなければならないのか逆算したり、手元にまとまった報酬が入ったからといって使いすぎてしまったりしないよう、金銭管理を的確にしなければなりません。また、1年間の収入は確定申告して所得税として納めなければなりませんし、年金や国民健康保険などの支出も発生します。収支のバランスが崩れてしまわないよう、計画的に管理するようにしましょう。

フリーランスは待っていても仕事が来るものではありません。自分でクライアントを探し、契約・受注し、継続発注してもらえるようにすることが成功の秘訣です。そのためにも、日頃から交流会や名刺交換会などに積極的に参加して、人脈を増やしていく行動力が大切になります。

会社員の場合、職場に出勤して上司や同僚からの刺激を受けながら仕事に取り組むことができます。しかし、フリーランスは基本的に一人で仕事をすることになるので、ある意味で監視の目がありません。自己管理能力が低いと、仕事をさぼりがちになったり、オンとオフを切り替えられずメンタルや体調に悪影響を及ぼしたりしてしまいがちなので、フリーランスには向いていないと言えます。

フリーランスは個人で仕事を獲得するので、成果物が評価に直結します。そのため、仕事に責任感がなく適当にこなしてしまうと、あっという間にクライアントが離れてしまうでしょう。クライアントが求めるものを実現するために、誠心誠意向き合う責任感が求められます。

一人で仕事をするイメージが強いフリーランスですが、実際はクライアントやプロジェクトメンバーなど様々な人と関りながら仕事をします。プログラミングやデザイン、ライティングといった業務は一人で行っても、そこに至るまでにはたくさんのコミュニケーションが発生するのです。そのため、人と関わるのが苦手な人はフリーランスとして活躍するのは難しくなるでしょう。

フリーランスは自分で営業して仕事を獲得しなければなりません。また、仕事を獲得した後も報酬や納期の交渉をタフに行う必要があります。営業や交渉が苦手な人は、フリーランスのスタイルが苦痛に感じてしまう可能性があります。

理想を追い求めフリーランスを目指す方が増えています。
しかし、その働き方にはメリット・デメリットがあり現実をしっかり見据える必要もあります。

そして、自分に向いている働き方なのか、向いていないのかという見極めも大切です。

フリーランスは基本的に全て自己責任になるので、それだけの責任感や行動力が必要という現実も念頭に置いておきましょう。
実力や行動力のある人であれば仕事の幅を広げ、大きく稼ぐことも夢ではありません。

フリーランスに興味があるなら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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